【匂いセンサ(一般型)】

【匂い受容メカニズム】
生体系において,10,000種類以上存在する匂い分子を,嗅細胞が発現する約388種類の匂い受容体が認識すると言われています(ヒトの場合).これは,匂い受容体はある特定の匂い分子のみ受容するのではなく,「匂い分子の持つある共通の特性」(odotope)を認識していると考えられています.匂い分子を受容した匂い受容体は,活性化され,嗅球と呼ばれる脳の一部分に電気信号を伝搬します.そして嗅球に集約された電気信号の組み合わせにより,人間は「匂い」を感じます.つまり,一種のニューラルネットワーク的な処理が行われているわけです.

都甲・林研究室ではこの「匂いコード」を,「匂い」の定量の指標として考えています.

【部分構造とは】
生体系では,受容体はodotopeを認識していますが,センサでは何を認識すればよいのでしょう? そこで,匂い分子の「部分構造」に着目しました.「部分構造」とは官能基(水酸基やカルボキシル基など)だけにとどまらず,静電的,もしくは立体構造的に特徴のある部位なども含みます.このような「部分構造」を認識するセンサを開発することにより,生体系と同様,匂い分子の分子構造認識が実現されます.すなわち,「部分構造」のセンシング結果は匂い情報に変換可能な情報であるという考えのもと,匂いセンサを開発していきます.匂い分子の分子構造を下図に示すように,部分構造に分解することで,匂い分子の分子構造の特徴(質)と,匂いの強度が評価することが出来ます.

【匂いセンサ(一般型)】
部分構造を認識するセンサの開発にあたり,下図に示す集積型マルチチャネル匂いセンサを開発しています.

 

 

また,部分構造を特異的に検出するにあたり,都甲・林研究室では,自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer:SAM)を用いて,センサの表面にある特定の部分構造に対する吸着サイトの形成を行っています(下図).

 

 

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