味覚センサ


九州大学では脂質高分子膜を用いた味覚センサの開発を行っています.高分子に脂質を固定化した生体模倣膜をトランスデューサーとして用い,味を識別・認識しています.得られた味情報(膜電位変化)はパソコン上で解析・評価を行います.センサ出力は単に特定の味物質の量ではなく,味質や味強度の情報を持っています.本研究室で開発された味覚センサは,膨大な数の味物質を5つの基本味である塩味,酸味,苦味,旨味,甘味へ分解・分類する,いわゆる“広域選択性”の概念により味を識別・評価します.


 

 



センサから得られた電気信号はWeber-Fechnerの法則に従って味質や味強度に変換されます.図に示すようにセンサ出力と官能値との変換式においてlogの底を1.2として,濃度差20%を目盛1として各センサの出力値を変換します.例えば,12.5目盛は元のサンプルの10倍の濃度,25目盛は100倍の濃度となります.この簡単な変換を行うことで,味をテイストマップ(味の地図)上に視覚化することができます.図において,各軸は味を示しており,目盛は味の強さを示しています.




味覚センサチップおよびポータブル味覚センサ
九州大学で発明された味覚センサは現在,インテリジェントセンサーテクノロジー社により市販されており,食品メーカー,研究所等で活用されております.
この味覚センサを小型化,軽量化することで,さらに使いやすく,いつでもどこでも味を測定できるものにするために,更なる研究が進められています.
上記のセンサ部分,作用電極と参照電極を一つのチップ上に作製し,指先サイズに小さくしたものが味覚センサチップです.脂質/高分子膜の技術をそのままに,参照電極も小型化することで,このセンサチップが実現しました.
さらにこのセンサチップから得られる電気信号を処理する電気回路を小型化し,また手軽に味を測定できるように,デザインを考えたものが,ポータブル味覚センサです.このポータブル味覚センサとノートパソコンがあれば,どこでも味を測定することが可能となるわけです.


 






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